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原在泉「大堰川三舩御遊図」

原在泉(1849~1916)の大堰川三舩御遊図(おおいがわみふねぎょゆうず)。


先日、岡山県立美術館で「美をたどる皇室と岡山」を拝観しまして、展示されている画帖の原在泉の一枚に見覚えのある画があったんですね。

どんなものかは見た方が早いので、当館所蔵品はこちらです。


法量 本紙縦189.5㎝ 横143.8㎝ 

   総縦238.5㎝ 総横182.8㎝

迨暇堂用なので超巨大です。

明治38年(1905)野﨑氏の依頼で描かれました。


画帖の方は岡山県美に今のうちに見に行ってください(2023年8月27日まで)。


題が示すのは、京都嵐山を流れる大堰川で三艘の舟を浮かべてお遊びになるという意味です。

白河院(1053~1129)が大堰川行幸の折に、三艘の舟をそれぞれ漢詩・和歌・管弦の芸に秀でた者が乗る舟として分けて乗せた舟遊びを楽しみました。しかし琵琶の名手として招かれていた源経信(1016~1097)は遅刻します。これには院の様子が「ことのほかに御気色悪しかりける」感じでした。


到着した経信は川辺に膝をついて「どれでもいいので乗せてください」といいます。それで「管弦の舟に乗りなさい」ということで管弦の舟に乗り、そこですばらしい詩歌を献上したということで、詩歌管弦に優れて三舟に乗るとはこのことなり。ということです。

「やや、いづれの船にても寄せ候へ」

そっちね(と言ったわけではありませんごめんなさい)

1254年に成立したとされる説話集『古今著聞集』を典拠としており、1799年に出てベストセラーになったという『都林泉名勝図会』国際日本文化研究センターさま

でより広く知られるようになったのかもしれません。


同画題が敦賀市立博物館にもありました。大堰川御遊図


ちなみに現代、車折(くるまざき)神社の祭礼として5月の第3日曜日に三船祭が行われています。御座船、龍頭船、詩歌管弦やお花やお茶などのたくさんの船が浮かぶこちらの祭りは昭和の御大典があった昭和3年(1928)に始められたもので新しい祭りです。

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